半年の契約で本当なら6月の10日に契約が終わる予定だったのだ。 が、予想していた状況とは違う展開になってしまい、キャロルの契約は7月末まで延期になった。キンシャサを心の底から嫌っていたのにだ・・・.
このポジション、Liaison <リエゾン>といって、連絡係なんていうと簡単そうだが、どうしてどうして、NGOと代表としてミーティングに参加しプロジェクトの近況報告をしたり、この先のプロジェクトのパートナーを探したり、それをレポートにして本部とジムに送ったり......と大変な仕事内容なのだ。 彼女は自分のキャリアの為に背伸びしてこのポジションを受けたが、この町キンシャサがどれだけ彼女をノックアウトしたか、容易に想像がつく。
私達が到着する前の数ヶ月、彼女は1人でこの町で泣きながら頑張ったそうだ。 思っていた仕事内容とは全く違ったし、おまけにイミグレーションの手続き、キンシャサでしかできない出向者のビザ手続きを全部任されてしまうというおまけまでついてきて.....。賄賂と嫌がらせ、どんなに本人が完璧に準備し、スマートに仕事を済ませようと頑張ったところで、何もかもが一筋ならではいかない。 彼女は自分に厳しい人なのでダメージも倍。
が、彼女はファイターだった。 イミグレーションの嫌がらせにも真っ向から立ち向かい、夜の9時まで粘ってビザの手続きを見届けたり、般若のような形相で、レンタカーのオーナーに怒鳴り込んだり・・・・・色々ありましたっけ。
私のベビーシッターもね・・・・。
彼女とは喧嘩もしたけど、私が一緒に生活するようなった事が、この町で一番ラッキーだったことだって言ってくれた・・・・泣かせるね・・・・。 ギブ&ギブ&ギブ&テイク 20%くらい私は彼女にギブしたかな?
彼女の怒りを聞いてあげたし、(理解できなくても・・・)時々ご飯作ってあげたし、一緒に笑い転げたし・・・・・。
今、彼女は飛行機の中。 レバノンでフィアンセが待っている。 戦い抜いた女性戦士のようだったキャロル。 お疲れ様。 色々ありがとう。
レバノンに戻り、婚約し、2年後に結婚するそうだ。コンゴの後はリビアの仕事につこうかと今検討中だ。 リビアね・・・・。 危険なリビアね・・・・。 そのあと、ベネズエラでレストランをオープンするのが彼女とフィアンセの夢。 何時の日か私達がベネズエラのレストランに訪ねて行ける日が来るのを楽しみに、今日は空港で私1人見送った。
キンシャサ空港は世界中でも最悪に数えられる程混沌とした空港。 もしかして秋に、私1人日本に向かうかも知れず、そのときはどうしよう? フランス語が話せない・・・。
今日は$5チップ(袖の下)を払って空港内まで入らせてもらった。できる限りキャロルのチェックインの仕方を下見したかったからだ。
先ずは4人も5人もの警察官の前で全ての荷物を開けられチェック。 そのとき、いちゃもんをつけられるのは想像通りで、少しのチップを差し出すと、舌打ちされる・・・。これだけ っ? そのあと航空会社別になっているのかなっていないのか、何の表示もないチェックインカウンターに並び、また荷物を1つ1つ開けられる。 これが時間かかる。 そこが通過できたら、今度はまた別のカウンターに移動し、そこでやっとボーディングパスとラッゲージクレームタグをもらう。 そのあとイエローカードを提示して、スタンプを押され、そのときまたチップを請求され、また少なすぎると文句・・・・。 そのあとやっと出国審査。 こういう流れのようだ。
キャロルを目で負いながらガラスの外でじ〜〜と見ていた私、英語の話せる警察官が話しかけてきた。 親子なの? ハ〜〜〜?????
今日は見送りだけど、今度私1人で日本まで行くかもしれないので、今日は下見してるの、仏語話せないから・・・。 というと、その警察官、僕に電話してくれたらエスコートしてあげるけど?
いつも居るわけじゃないから携帯に電話してっ、と電話番号をくれた。名前は”ブラブラ” ラブラブじゃなくて、ブラブラ、ちょっとあ〜〜た、日本語でこれ、どういう意味か知ってる? (とは言いませんでした!)
さすが、賄賂の国。 全ては賄賂で動く。
なんだか喜んで良いのか、悪いのか複雑な気分だが。 本当に困った時には助けてもらえるかも? ポケットには小銭を用紙しておいたほうが良さそうだ。
とにかく里帰りも一筋ならではいかないのよ・・・・。
秋に帰ってくるかも??? とても楽しみだ!! でもアレか? 空港から出られないかもな。
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