私とジムとDr.E、3人のパスポートをイミグレーションに提出したのは4月の27日だった。
観光ビザからビジネスビザに変更する為だ。 が、ジムが3ヶ月の観光ビザからビジネスに書き換える前から働き始めていたので、罰金を課せられた。 $200ドルの罰金。 3年のビザは$481。
ジムのビザ書き換えが先に出来上がった。 ちょうどジムがキンシャサに居る間だった。 6月7日。 何で私のできないの?
私の名前がTomoko Yamaguchi <キャンベル> とパスポートに記されているために夫婦だとわからなかったらしく、別々に処理されたらしい。 ちょっと不安になる・・・・・。
だが、1週間後私のビザもおりた。<7週間半かかった> キャロルが引き取りに行ってくれたのだが、Dr.Eのパスポートはまだだった。 なんだか変・・・・。
私は自分のパスポートに押されたスタンプ、そこに記された日付を良くよく見てみた。
あれ? 2/14/11から 5/12/2014 なんだこれは?
2月14日って・・・・・? 私達コンゴに到着したのは3月27日だよ。
翌日もう一度オフィスまで出向いてディレクターに見せた。ディレクターは手書きの帳簿をめくり、何時提出されたかを確認した。 全て、全てが手作業。提出日4月27日と書いてある。
ディレクターは血相を変えて別のオフィスに飛んでいったかと思うと、15分後にボールペンで書かれたその日付を変更し、戻って来た。どうやって書き換えたんだか?
ドクターEはフランス人。 ブカブで働いているのだが、家族の緊急事態ですぐに本国、フランスに戻りたいのにパスポートがない。 キャロルはドクターの事情をよ〜〜く分かっているので、毎日イミグレーションに行って、まだかまだか?と催促しているのだが・・・・。 よく考えたら、IMCがビザ手続きしているパスポートの中でこのパスポートが最後の1つだ。 彼らがまたゲームを始めたらしい。 彼女のパスポートがどこの部署にあるのかわからないと言いだすから飽きれちゃう。 翌日は、担当者が病気だって?????
ディレクターはさも何か差し入れを期待するようにキャロルに向けて、『あ〜〜お腹がすいた!』 を連発するらしい。 忍耐にも限界がある。
来週には絶対にフランスにもどらなくちゃいけない! というドクターからの連絡にキャロルは眉間に皺をよせながら、今日はパスポートを受け取るまでは絶対に帰らないから・・・と行って12時半に家を出た。ランチもろくすっぽ食べずに出かけたキャロル。 背水の陣。
キャロルが家に戻ってきたのは夜の9時半だった。
その間、私とキャロルはSMSで連絡しあった。 『戻っておいで、あなたのせいじゃないんだから・・・』 『手ぶらじゃ帰らない.....』 このやり取りの連続だった。
日が暮れてから私はキャロルが心配になり、ジムに連絡した。 私は後になって知ったのだが、ジムはイミグレーションのディレクターに3回、直接電話を入れたらしい。 その度に彼は不機嫌になったって、キャロルが後で話してくれた。プレッシャーをかけてくれたわけだ!
ありがとう、ジム。
が、結局8時間も待たされた、その原因はディレクターのせいではなかったのだ。 ディレクターの上にファイナンスがあって、パスポートの手続き、肝心要、スタンプを押してサインをするのがファイナンスだったのだ。 暗くなってから誰かがキャロルにあっちのオフィスがファイナンスだから直接行ってお願いしてみたら? と言ってくれたそうだ。
そこには大きな1メートルを超える金庫があって、その中に山積みのパスポートが入っているのをキャロルは見たそうだ。 そのファイナンスの”偉い人” がドクターのパスポートがどこにあるのか分からずに遅れていたらしい。 緊急事態なので今すぐ手続きを! と嘆願してもパスポートがどこにあるのやら????? 45分探しまくってやっと見つかった。そのとき既に7時を過ぎていた。
キャロルの他に3ヶ月半も待たされ、挙げ句の果てに手配した飛行機には乗れず、キャロルと一緒に夜遅くまで自分のパスポートを待っていたアメリカ人男性がいたそうだ。 やはり私が思った通り、こういうハラスメントで苦しんでいる人は私達だけではなかった。
驚くのは誰も法的な手続きでイミグレーションを訴える人がいないってこと。 なんでこういう非生産的なシステムが野放しにされているのか? でもアメリカ人であり、アメリカ政府のプロジェクトをしているというこの男性のビザでさえ、3ヶ月半待たされたわけだから、彼らは何も恐れていないのだろう。
私とジムは3年のビザをもらったが、この先、3ヶ月以内に国外にでてその後7ヶ月以内にもう一度イミグレーションに行ってスタンプを押してもらうというノルマがある。
あ〜〜〜関係はまだ続いているわけだ。だから誰も訴えないのかな? もううんざりだ・・・・。
全て手作業だっていうのはわかるが、しょっちゅうパスポートの行方がわからなくなるこのシステム、コンゴ人よ、もう少しなんとか工夫しようぜ!
28歳のキャロルの芯の強さに驚かされた夜だった・・・・・。おめでとう、キャロル、これであなたがイミグレーションと関わらなくてはいけないビザの変更は全部終了した。もう毎日のようにあの薄暗いイミグレーションに通わなくて良いんだよ。
あと6週間で彼女の契約は終了する・・・・。本当によく頑張ったよね。
27歳の頃の自分ってどうだったかな? こわいもの知らずで一途だったっけ?
そ〜〜〜でもないな・・・・・。
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