Thursday, April 7, 2011

糸井さんの言葉


私が毎日チェックしているサイトがある。 糸井重里氏の 『ほぼ日刊イトイ新聞』 だ。http://www.1101.com/home.html
このサイトの”今日のダーリン”コラムは糸井さんのその日の日記みたいなものが綴られているのだが、大好きで、毎日欠かさず見ている私。
糸井さんってちょっと女性的(ごめんなさい)と、思えるような繊細さで物事をとらえたかと思うと、宇宙規模の物差しで違った角度で物事を見たりもできる。 魚眼レンズの持ち主だ。 そのレンズと頭がいい具合にリンクしているんだな。 もちろん糸井さんは言葉のプロ、”言葉のマジシャン” なのだが、サイト上でハッとするような一文に出会った時は、なんだかとてもハッピーな気分になる。
今日もまた、そういうのを見つけた!


”・・・・・・わたしたちは、何によって社会に憶えられるか、です。”
これだ! と思った。
これができたら自分も嬉しいだろうな〜。 そう思う。 そんなときに数日前にジムがフォワードしてくれたマラウイからのメールのことを思い出した。 

2月の末、ジムが彼のチームメンバー辞任を告げたとき、チームはパニック状態だった。 その後は怒り、そして絶望・・・・・。 当然だ。 が、やっとアメリカからテンポラリーのリーダーが到着し、予定されていたプロジェクトのオープニングセレモニーが行われました。という内容だった。残念なことにジムはこのイベントを計画だけして、見ずじまいにマラウイを出てしまったのだ。それは仕方ない。 自分勝手な...そう言われても仕方ないような結末だったのだから。

そのメールに嬉しいニュースが書いてあった。 マラウイ出発の1週間前にジムが私に『プロジェクトのロゴを10tトラックの横につけたいんだ。 時間がないのはわかってる。 なんとかならないかな?』と言ってきた。 ジムのアイディアは新しく買ったばかりの10tトラックのお腹部分に3メートルの大きなプロジェクトのロゴをつけてマラウイ国内を走りまわらせる....。 良いよね〜、でもなんでもっと早く言わないかな?????? も〜〜〜!

引っ越し準備でてんてこ舞いしている私はジムのオフィスに出向いて髪振り乱し、集中して考えた。 今まで使っていたロゴをそのまま3メートルに拡大するのは私は反対だったのでレイアウトを変えた。 そのロゴがトラックに描かれマラウイ国内を走り回る姿を想像しながら。”TEWALERE ”の文字を超拡大した。 ジムもそのアイディアには大賛成だった。
が、私たちには出来上がった3メートルのロゴをつけたトラックを見る時間はなかった。 

オープニングセレモニーはスポンサー、来賓、メディア、ダンサーやらが集まってかなり盛大に行われたそうだ。子供達は皆ロゴ付きTシャツを着て。 写真が欲しいわ〜〜!

このロゴ、すんなり出来上がったわけでなかった。 紆余曲折があった挙げ句、私としては気が進まないまま投げやりになっていたものが、いつの間にか世にでてしまって、『えっ?まだ最終的にしあげてないのに・・・・。』という舞台裏だったのだから私としては苦笑い・・・・。 ”ジャンピングジェームス” (子供がバイタミールを食べてエネルギーを得てジャンプしているイメージ)とニックネームがついたこのロゴは、いつの間にか息をし始め、一人歩きしていた。プロジェクトの企画書に、オフィの壁に、Tシャツに、そして新しく買ったばかりの数台の車、そして10tトラックのドアに。

プロジェクトのスポンサーであるUSAIDの方達がこのロゴをとても気に入ってくれたそうなのだ。 とても”視覚的効果” がありプロジェクトのグッドサンプルとして取り上げたい、と言ってくれたそうだ。 デヘヘ・・・! 予想もしていなかった。(そうですか、私としてはいまいちの出来だと思っていたのですが....な〜〜ってコメントは伏せておいたほうが良さそうだ!)

トラックが村にバイタミールの配給に行くと、子供達は両手を広げてロゴマークのまねをするという。 なんだかとても微笑ましい。 

”何によって社会に憶えられるか?” ってこういうこともその一つかな? そう思った。
なんだか手前味噌っぽくて自慢話にとられると困るのだけど、想像以上に厳しい状況の新しい環境で、ストレスと緊張、不安におののいている今の私にとって良い活力剤になったので自分を鼓舞する為にも文字にした。 
一方で、今回のロゴのケースはとてつもなく上手くいったケースとして私を喜ばせたが、いつもそう上手くいくとは限らない。 そのことだけは忘れないでおこう。 今回はとても幸運だった。

写真はA3サイズの小さいロゴ。 トラックのドアや町中を走るスタッフ用の車につけられているもの。 10トントラックの横に描かれた3メートルの大きなサインはまだ写真を見ていない。
写真に撮って送ってくれるようにスタッフに頼んだ。 また紹介したいと思う。

ジャンピングジェームスがこの先もマラウイの皆に親しまれることを祈りたい。





2 comments:

  1. ”何によって社会に憶えられるか?”

    Tomoのデザインが大勢の人々の記憶に刻み込まれ、子供たちがロゴマークの真似をする。これは、ちょっとした社会現象だよ。マラウイを離れてもTomoの『作品』が残り、親しまれ続けるなんて、とっても素敵な話だね。≪組≫ 

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