この日の出張目的は新しくできいた Water Users Association つまり、灌漑用水組合のオープニングセレモニーに出席することでした。
そもそも、ジムのお仕事を簡単に説明しますと・・・・、タジキスタンは90%以上が山岳地帯です。 わずかに残る農作地域では灌漑施設が機能せずに困りはてていたのです。 ソビエト時代に使われていた灌漑施設は、老化や内戦などで壊れてしまい、それを直せないまま何十年も放置されていました。 ソビエト時代はそれを管理するシステムがあったのでしょうが、ソビエトが崩壊したあとは、それを直せるだけのシステムや財力がタジキスタンにはなかったのです。 だから放置されっぱなし。 大地は乾き、作物を作れず、人々は飢えに苦しんでいました。 それをアメリカ政府の資金で直してあげて、灌漑施設を管理するための組織を作ってあげること。 これがジムの携わっているプロジェクトです。
4年の予定が5ヶ月年長されて、4年と5ヶ月、その間50幾つかの組合を地域ごとに立ち上げ、オフィスを建設し、役割を分担し、灌漑用水施設を彼ら自身の手で運営できるように組織化したのです。
その組合事務所、最後の3つが晴れてオープンしたので、リボンカットのセレモニーに参加するために行ってきました。
この事務所を建てるのだって、かなりのお金がかかっています。 建物以外に家具やコンピューターなども全部供給されました。 Water Users Association の責任者が続々と車で到着。 これはタジキスタンの伝統の儀式なのでしょう。 子供達がケーキとお塩を持って、感謝の気持を述べる挨拶がありました。 それは詩の朗読のようでもあり、リリックな響きで長いのに良く暗記しました〜、と褒めてあげたくなるような立派な挨拶でした。3つのオフィスでそれぞれ、同じような儀式が行われました。
そして、テープカット。 そのあと、盛大なお食事。 2箇所連続でランチを出してくれたので、2箇所目はどう頑張っても食べられませんでした。
最後は掘削機の譲渡。
どういうことかというと、DAI が新品の掘削機を購入。 ソビエト製で(たぶん一千万では買えません。) それをWater Users Associationsにポンとプレゼントしたのです。アメリカ政府、太っ腹!!!!
今日はその所有権を譲渡いたします・・・・という書類にサインをする集まりだったのです。 Water Users Association の人たちは大喜びなのはいうまでもありません。 『ここ20年、新品の掘削機なんて見たことなんてない、すごいことだ!』 と興奮ぎみ。 ピカピカの掘削機の横には、レンガでそのガレージが作られているところでした。
この掘削機で運河に溜まったゴミなどを掻き出して、水が滞らないように管理運営していくのが目的です。
この国はモスリムなので、クリスマスのお祝いはないのですが、今日のジムはまさしくサンタさん。 皆が喜んでいる顔を見るのはやっぱり嬉しいことです。
プロジェクトが終了し、私たちがこの国を去ったあともこの掘削機が活躍し、灌漑用水が滞ることなく流れ、皆の生活を潤してくれることを信じてやみません。
出張に連れていってくれてありがとう。 来月1月21日にはアメリカ大使もご招待して、この掘削機のお披露目式が行われるのだそうです。 その時も一緒に行けたら嬉しいです。
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