いや〜、参った .........。
1年ほど前から友人の栄養士さんと2人でHIV+のお母さんの為の教育資料を作り始めた。ジムがバイタミールを配っているクリニック(HIVのリサーチをしている病院)ではお母さん達を対象にしたトレーニングが行われている。 が、そこで使う教材がないという。 そこでバイタミールの紹介もかねて、私達2人がボランティでこの紙芝居形式の教材を作ることになったというわけだ。
私はA面、友達はB面を担当した。 私は紙芝居の表をどう表現するか、写真を使うか、イラストにするか随分と悩んだ。 イラストをチャチャと描けるグラフィックデザイナーなら何も悩まないのだが、私は絵が描けない。 なので、写真を使おうとしたのだが、写真だと写っている人達の承認がいる。これも大変そうだ。 さんざん悩んだ挙げ句、全てのページをイラストで通すことに決めた。
全部で22ページある。描けないからには、技をつかってなんとかするしかない。
内容的にはどう母子感染を防ぐか? どうしたら安全に離乳ができるかにポイントがあてられている。
日本やアメリカだったら、HIVポジティブのお母さんは母乳はあげないだろう。 母乳を通しての母子感染の可能性があるから。 が、ここマラウイでは最初の6ヶ月は母乳をあげる事を勧めている。 何故かといえば他に安全な代用品がないから。 100%安全ではないにせよ、死を招く危険度を考慮すると母乳のほうが優先されるのだ。 それプラス、最初の半年は免疫力をつける為にも、母乳が良い。 問題は半年過ぎてから、何をどう赤ちゃんに与えるか?
せっかく、母子感染せずに生まれてきても、半年後に不衛生なものを与えた結果、下痢等が原因で命をなくしてしまうケースが多いのだそうだ。 悲しいことだ。離乳が難しい。
かれこれ1年もかけてこの紙芝居に関わっている。クリニックのお母さん達を前にした一回目のテストも終了した。あとはイラストに添えてある英語の部分を現地語(チチェワ語)に訳して、書き換えれば初版が完成する。 その後実際にクリニックで使ってもらってもう一度テスト、使いづらいところを訂正。そういう段取りなのだが、ここで大きな番狂わせがあった。
英語と現地語のチチェワ語が上手い具合にリンクしないのだよ!
たった1行の英語を現地語にしようとすると、とほうもなく長〜〜く、難しくなってしまう。これには参った。
例えば、”お米のお粥を1/4カップ” 英語だったら、Rice Porridge 1/4 cup これでいい。しかし、チチェワには1/4ということを表す言葉がないと言う。 無理に表現しようとすると、Phala la mphnga theka ka theka wa kapu こうだ。 どこまでがお粥でどこまでが1/4なのやら、さっぱりわからない。
チチェワは言葉の数がすくないのだそうだ。 だから1つの言葉で表現できなくて、色々な言葉で説明することになってしまうから、長くなる。 あ〜〜、も〜頭を掻きむしりたくなってくる!
だいたい料理するときに計ったりしないから、1/4カップなどという表現なんてないんだって。 1/3という表現さえなくて、”半分よりちょっと少ない” こう言うほか表現のしようがないと言われた。 ティースプーンとテーブルスプーン、日本だとこれは小さじと大さじに対応すると思うけど、これも困った。 実物大の大きさに描いたイラストを巻末に添付してはあるが、これを言葉で表現するのは異常に大変な作業だということがわかった。
さて、どうしよう? あと少しのところで、行き詰まってしまった。
1/4カップはイラストではカップの絵が描かれているわけだから、目で見て解ってもらしか方法はないかもしれない。
最後の最後で頭を殴られた気分だ・・・・・。
これははマラウイで良く見かけるプラスティックのお皿とカップを実物大で描いたイラスト。
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