Monday, September 26, 2011

ルワンダ、バス体験

いとこからメールがきた。ルワンダの写真をみて ”朋ちゃん、あのバスに7時間も乗ったの?” と。 良くきいてくれました。 そうなんです。 私のアイディアではないですよ、もちろん。

ルワンダのバスの話・・・・。

ルワンダ旅行の最後はキブエからコンゴ国境まで、レイク沿いを走るバスで帰って来た。

でこぼこ道を5時間かかると言われた。現地の人達はたった5時間、そう表現する。

ホテルからはオートバイタクシーで荷物ごとバス乗り場まで乗り付け、待つ事1時間半。5時間も乗るというのに料金は5ドルほど。

やって来たのは大きなバス。 これは古そうだわ・・・・それにあきらかに日本製じゃない。
バスは大きいのに入り口のドアが人1人分しか通れない程小さいのは何故? 何十人もの人が一斉にバスに乗ろうと押し寄せパニック状態。 でもこれは予想してた。

バスの中にいた切符売りのお兄さんが、”ハイハイ、アズング(白人)が乗るから、どいたどいた!” と叫ぶ。 入り口につっかえている人達の頭上で私達のスーツケースをこのお兄さんが引き上げてくれた。 ”皆と同様、肘をガンガン使って遠慮せずに乗りましょう!” という誰かのコメントをウェブで見た。 このことだわね。

やっと乗れたはいいが、日本の満員電車状態、いやちょっと違うよ。 日本の通勤電車ではマットレスやら切ったばかりの何メートルもある竹なんか持ちこまないね、普通。 チケット売りのお兄さんの『アズングを座らせてあげてっ!』 の一声で入り口横の日本でいうシルバーシートが私の為にあけられた。感激! ジムはジムでルワンダの若者が席を譲ってくれて、無事着席。私はジムのバックパック2つを足下に置き、自分の枕の入ったバッグを膝の上に抱える。足なんて動かせない状態だけど、余裕を見せるため、周囲の人達に微笑んだりしちゃって・・・・・。   内心、これで5時間? マジっ! 

とにかくどんなに小さな隙間でもルワンダの人はひょいっと入り込んで来て座ってしまう。 。 2人用の席に3人座るのはあたりまえ。 重なりあうようにして座ってる。

30分過ぎた頃に乗客がドンドンバスから外に降りて行く。 何事? 
全員バスから降りる。 前方に壊れかけた橋があって、バスが無事通過できるかわからない。 重量を減らすため、乗客全員が降ろされたってわけ。 (写真で見える人達の後ろに見えるのが、そのオンボロバス)
荷物だけになったバスは無事、橋を通過!皆で拍手〜!

皆バスに戻る。 せっかく座っていた席がなくなっているだろうと予想したが、意外や意外。 ちゃんと降りる前と同じ状態に戻った。  律儀なルワンダ人。

また30分後。 今度は足の不自由な女性が乗って来た。 松葉杖を外してバスに乗ろうとするのだが、自力ではステップを上がれない。 中の人が彼女を上から引っ張り上げてやっと乗車。 が、このすし詰め状態のバスにどうやって???? 立ってるのはどう考えても無理。 席を譲った。一番近くに座っていたのは私だものね・・・・。

彼女は私の荷物を膝に抱えてくれた。 重たいので私が躊躇したが、彼女は私の荷物を離そうとはしなかった。 

日本の満員電車に9センチのハイヒールを履いて通勤していた事を思えば、これくらい何のその!  トレッキングシューズ履いてるんだもん。  バスが大きく揺れるたびにベタベタした手すりにしがみつく私。  

途中、バスは幾つかの小さな町で泊まり、数人が降り、また数人が乗ってくる。 バスが停まると同時に窓の外に、バナナ売りやピーナッツ売り、あげパン売りなどが寄って来て商売する。 バスの中、座っている人達の頭上をバナナの房が行ったり来たり。 結構真剣にバナナ選びをするのには驚いた。 こっちの房でなくて、そっちの房。などとの交渉してるよ。 気づけばバスの中、あちこちで皆バナナを食べているじゃないの。 バナナを房ごと買った男性が私に”食べなよ!” と手渡してくれた。 良い奴じゃん!

バナナとピーナツが長旅の友ってことらしい。

途中乳飲み子を背中にくくった若いお母さん達も荷物を抱え乗ってくる。 このぎゅうぎゅう詰め状態のバスにどうやって? と思うのだが、乗り込んだ後、クルリッと赤ちゃんを背中から下ろすと、座っている女性にポイッと手渡す。 別に ”お願いします” でも何でもなくだ。 
ごく当たり前のように赤ちゃんが手渡され、赤ちゃんは見知らぬ人の膝の上に乗せられ、バスは走る。泣かないよ、赤ちゃんも、慣れたもんだよ他人の膝。

荷物もしかり。 大きなバックパックは周りの人に本当に迷惑で、でも座っている人が膝の上に預かってくれる。ルワンダ流、バスの乗り方。

途中またバスが停まった。 今度は何? チケット売りの添乗員さんとジムがいきなり外に飛び出す。外で何が起こっているのか調べている様子。

ジムまで降りなくてもいいのにさ・・・・。 どうやら前方に崖崩れがあったもよう。 それに行く手は雨の影響で泥沼状態。 ここをバスが通過できるかどうか? それで停まったのだ。

ジムがバスの入り口に戻って来たかと思うと ”Tomo, get off, right NOW!"

????????? えっ?

バスはゆっくりと前進し始めているし、パスポートの入ったバックは棚の上だし、荷物は???? そんなことが3秒程頭をよぎって、私は迷った。 ”Get off means, get off, NOW!"

ジムがもの凄い形相でバスの外で叫んでいるので、私はとるものもとらずに、走り出したバスから飛び降りましたよ。

ジムの説明は私に10個くらいのクエッションを投げかけて、私をいつも混乱させる。 バスを変えたいのか? 一時的に降りるだけなのか? 

バスの前方は泥沼。 それで、ジムは重量オーバーのバスが横転することを懸念して私に降りろって命令したわけだ。 つまり一時的に降りろ! っていう意味だったわけ。 この”一時的に” があるのとないのとでは私の反応は全然違ってくるわけで・・・・・ブツブツ・・・。 


確かにバスは泥の中をお尻をフリフリかろうじてスタックせずに泥沼を通り抜けた。こういう場合、ゆっくりじゃなくて一気に走り抜ける。 もしバランスを崩したなら横転の可能性は大いにあり得る。 これだけ人が乗っているのだもの。 
切符売りのお兄さんとジム、そして私、走り出したバスに取り残されないように全力で走って飛び乗る。

ハ〜〜〜〜ッ。

バスの中に戻ると、皆の笑い声。 現地語なんでなんのことかさっぱり???でも間違いない、私とジムのパフォーマンスをバスの中から一部始終見てたんだね。 アズングがいきなり飛び降りたのがおかしかったんだね。 私もテレ笑いさ・・・・。

ちょっと恥ずかしかったけどね、いつも最悪の事態を想定しながらジムが私を守ってくれるからこそ、今まで無事に過ごせているのよね。 ありがとう。 でも、もちっとわかりやすく指示して欲しいわ。




バスは5時間の予定が7時間かかり、とっぷり日が暮れた頃に国境に到着。 トイレ休憩がないのはわかっていたので、前日の夜から水分をたった。 脱水状態だ。 おかげで一度だけ町のレストランのトイレに駆け込むだけで済んだ。 トイレの近い私が7時間の間に1度のトレイ・・・・ジムは驚いてました。 

7時間のバスの旅、本当の意味でアフリカ体験でした。 大変な旅ほど思い出に残るものだしね。

写真のバスの座席の背もたれ、わかるかな? この背もたれが100回くらいはずれて、後ろに座っている人がその度に元の位置に戻してくれたのよね。 

ルワンダの人は助け合いの精神が強いようだ。

橋を渡る前に降ろされた乗客。 後ろに見えるのが私達が乗ったバス。


はい、これからこの壊れかけた橋をバスが通過します。 バスがコケルことを予想して、ジムは私を遠くまで避難させた。


バスが終点に着く頃には乗客も半分以下に減ってゆとりが・・・・。 でもこの背もたれがはずれるのよ・・・。




これがその背もたれの板。すごいっしょ?





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