私はジムがこっそり教えてくれていたのでパニックしなかったのだが、何も知らないアニマルハウスの住人達はセキュリティーマネージャーの叫び声に何が起こったのかと・・・緊張が走った。
靴下のまま靴を抱えて外に飛び出す人、怪我人(嘘の・・・)が駐車場に横たわっていて、どこに連絡するべきかパニックする人・・・・など等。
セキュリティーマネージャーとジムの最大の責任はスタッフを危険から守ることだ。 現在出向者だけで16名ブカブに滞在している。 数日前にブカブから3時間ドライブの距離のカロンゲという町で車が射撃されラップトップが押収された。 2週間程前にブカブに到着したアメリカ人ボランティアの女性はこのカロンゲのベースマネージャーとしてちかくこの町に赴任する予定だ。 もはや対岸の火事ではない。 彼女のカロンゲ行きは一時保留され、カロンゲゲストハウスのセキュリティーが強化できるまでブカブにて待機・・・・。そう指示がでた。
日曜日、今度はファーストエイドのトレーニングがおこなわれた。 これも出向者全員参加。 プレゼンテーションは元アメリカ海兵隊のボードレー(彼の名前)がおこなってくれた。 彼もボランティアでここに来ている一人だ。
色々な応急処置グッズが紹介され、これらは各ベースに常置されているとのこと。それらの使い方等を教えてもらったのだが、メディカルの英単語、知らないものが一杯でてきて、結構難しい。
例えばこれ、"dressing"
dressing
【名】
- 着付け、身仕度、着こなし
- 〔サラダなどの〕ドレッシング
- 包帯(剤)
- 〔鳥料理の〕詰め物
- 〔園芸などの〕肥料
今回は#3の包帯の話だ。 サラダのドレッシングじゃないのね・・・。
昨今の緊急メディカルグッツは優れものだ。 肺を打ち抜かれた時にあてがうパッチやら、出血を止めるためのパウダー、そしてバンデージやら・・・。 こういう優れものが開発されて以来、戦場での死亡率がずいぶん減ったそうだ。 ちゃんとした医療機関に運ばれるまでの最初の処置がいかに大切か・・・・・。 大きな分かれ道になるファーストエイド<応急処置>。
ジムはカリフォルニアでレッドクロスのボランティアを長いことしていたし、ファーストエイドのトレーニングも受けている。 だから彼といる限り、私はかなり守られてる〜〜っていう気がするのだが、彼に何かあったとき、私はどうしたらいいの?????
ファーストエイドのミーティングの後は私とアメリカ人ボランティアの女性2人(最近赴任したばかり)がセキュリティーマネージャーの部屋に呼ばれ、今度はセキュリティートレーニングを受けた。 (日曜日だというのに・・・・)
3時から始まったトレーニング・・・・セキュリティーマネージャーが6時までには終わらせたい・・・と言ったのが冗談だとばかり思っていたら、なんのなんの本当に3時間かかってしまった。 新しい人が赴任するたびにモーゼはこのトレーニングをするそうだ。
知らない単語が幾つかでてきた その一つ ”Ambush"
- 奇襲、不意打ち攻撃
- 待ち伏せ、〔攻撃のための〕張り込み
- 伏兵、待ち伏せ要員
- 待ち伏せ場所[地点]
- 潜んでいる[隠れた]危険
こういう意味だそうだ。
車が奇襲された時、前方に危険がなければ、ひたすら猛スピードで走り抜ける事。 が、車両がダメージを受けて動けなくなったり、前方にも危険がある場合、これは車内に待機するのでなく、車外に出て地面をほふく前進してその場を移動せよと!
え〜〜っ! 車がターゲットになって射撃されてる時に車外にでるの? って思うのだが、確率から言ったら車より自分の身体のほうが小さいので車体が攻撃され爆発したりするよりは助かるチャンスがある・・・・・そういう事らしい。こういう場合の車両を "soft skin "と言うのだそうだ。
トヨタのランドクルーザー・・・・・射撃されたら玉が通り抜けちゃうっていう意味。
3時間のコースでぐったり疲れてしまった・・・・。 が、今更ながら危険な場所にいる事を再認識した。
セキュリティーマネージャーであるモーゼは8箇所あるベースと随時連絡をとりあっている。 出張者が何時どこに配置されているのかも把握しなくてはいけない。 車でジャングルを移動するわけだから、途中何があるかわからない。 2週間程前にガス欠でブッシュの中で停まってしまった車両があった。 連絡を受け、直ぐにヘルプの車が駆けつけたが、そういう事はあってはいけない。 長距離移動の際は最悪の場合を想定して万全の準備をしなくてはいけないのだ。
超楽天家の私・・・・.ジムに迷惑をかけぬように気をつけなくてはいけない。 改めてそう思った。
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